今回の症例は、「偏頭痛」の方です。
聞いたところによると、中学校くらいから頭痛が出始めたとのこと。 当時は頭痛薬などもあまりなかったため、我慢をする日々が続いていたそうです。
社会人になり、より一層痛みが強くなったそうですが、病院へ受診しても薬のみの対応だったようで、MRIなど、検査も異常がなかったようです。
初期は薬も効いていたようですが、次第にこれも効果が無くなり、毎日3回の服用、加えてホルモンバランスの影響とも別の病院で言われ、塗るタイプのホルモン剤(HRT法といいます。)での対処もしていたようでした。
初めてご来院された時は、毎日のように断続的ではありますがガンガンする頭痛があり、薬も効かなくなっているためひたすら我慢をするしかなかったとのことでした。
最初の来院時はすでにきつめに頭痛が出ており、これを取る施術を問診もそこそこに行いました。
当時は「ガンガン」する痛みだったため、中医学的に「於血(おけつ)」といって、血流が障害されて起こる痛みの種類と考えます。
それに準じたツボを使い、首や肩のコリも施術をしていくと、帰る頃には痛みは半分ほどまでは低下していたようでした。
痛みが強く、薬も満足に効果が出ず、経過も非常に長いため、最初の内はつめて来院をするように伝え、数回の鍼灸施術をしましたが、5割減の痛みが、頻度は減るもののそれ以上の改善が中々みられませんでした。
再度問診をしなおし、痛みの質を詳しく聞いてみると、目がチカチカするような前兆があったあとに、痛みが出るとの事。
これは、「閃輝暗点(せんきあんてん)」といって、「偏頭痛」の前触れによくなる前兆症状です。
その場合は、少し施術するツボが変わり、当院では胃腸に関係するツボを使うことが多いです。
また、重だるい痛みも、ガンガンするのが減った分出てきているとのこと。
やはり、数十年の歴史がある症状でしたので、非常に複雑に、尚且つそれぞれの要因が相当溜まっている状態でした。
施術の方針を調節しつつ、ツボや刺激の仕方を変更し、適宜施術を継続しました。
今現在は、痛みは疲労が溜まると軽度に出るものの、あれだけ使っていた薬も一切なく過ごせているようです。
経過が長いほど、病態が複雑化し、薬や痛み止めの注射など、色々と試しても効果が芳しくなくなってきますが、しっかりと免疫力を上げ、適した施術を続ける事で、改善への道が開かれる場合も多いです。
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